現在タイでは、タイ政府の新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止対策として、3月18日〜3月31日の期間バンコクと近郊県の「娯楽施設営業禁止」が始まっています。この記事では、バンコクの経済にも影響を与える禁止令初日の3月18日バンコク中心部の様子をお伝えいたします。
娯楽施設営業禁止の期間と対象
期間:3月18日〜3月31日
対象:パブ、バー、映画館・タイ古式マッサージ、マッサージパーラー、ムエタイスタジアム、学校などを含む教育施設
タイ政府は、新型コロナウィルス感染の広がりは現在まだ初期段階であり、今回の対策は「封鎖」ではないという点を強調しています。
娯楽施設営業禁止前のエムクオーティエ・エンポリアムの様子
入り口に「EMオート・サニタイゼーション・ゲート」なるコロナウィルスに有効とされるナノ消毒スプレーを散布するゲートが設置されています。(塩化ベンザルコニウムを含む)
なんともSFチックでクールなこのゲート、思わず撮影したくなるのでゲートを通過する人も多くいます。
こうしたエンターテインメント性のあるデザインでオブジェとして機能し、消毒を促すというところは上手いやり方だなあと思います。
尚、敏感肌、妊娠中の方、1歳未満の子供、そしてペットの利用はお控えくださいとのことです。
館内に入ると空港などのように、赤外線サーモグラフィで体温チェックをしています。
アルコール消毒液を持ったドアマンも立っています。
設置されたアルコール消毒液。
娯楽施設営業禁止の初日3月18日のスクンビット界隈の様子
オンヌット界隈
タイ古式マッサージ通りとして有名なスクンビットソイ77/1。
露天はならんでいますが、マッサージ店はすべて閉店しています。
同じくマッサージ店がならぶスクンビットソイ79もシャッターが降りています。
BTSオンヌット駅に直結したテスコロータスのフードコートは、椅子の数が極端に減らされていました。最初掃除か何かかと思ったのですが、どうやらこれも来店客同士の距離を置くためのようです。
エムクオーティエの映画館
映画館は閉まっておりとても静かです。
エアコンも切っているので暑い。
夜の歓楽街の様子 午後8時頃
スクンビットソイ4の通称ソイナナはバービアも一斉に閉店しておりこの通り真っ暗。
ゴーゴーバーで有名なナナコンプレックスも閉鎖されています。警備の人が座っている光景が物々しい雰囲気です。
同じくスクンビットの有名な歓楽街ソイカウボーイ。
ネオンがついていたのでおやっ?と思ったらお店は閉店中。
入り口のバーは営業していましたが、これは身内のみなのか、飲食店として営業しているのか不明。まだ初日だったので、ひょっとしたらこの後警察から指導があったかもしれません。
その他のソイの食店などは通常営業していますが、普段バーやパブとして営業しているお店は開いていたり閉めていたりで、この辺りは業種の曖昧なお店はバラつきがあります。
スクンビットソイ15のフーターズも飲食店とパブとの微妙な位置のお店ですが、営業していました。ただ、ソイナナのフーターズは閉店していたので、今後は不明です。
懸念される今後のバンコクの治安
このように営業禁止令が出ると、元々備蓄をしない傾向の強いタイ人が多い中、低所得層や失業者が溢れ出し、ネオンの消えた夜にまぎれて犯罪が多くなることが懸念されます。海外ではありますが、比較的安全なタイの治安が悪化しないためにも早期の新型コロナの収束を願うばかりです。
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