6月1日にタイ入国に関する変更が、在タイ日本国大使館より発表されました。5月の段階ですでにうわさとなっていた目玉となる変更として、タイにノービザ入国した場合、これまでの30日としてきた滞在日数を60日に延長したことです。以下、その他のビザ関連の変更事項です。
短期滞在査証免除国の拡大及び滞在日数の延長
短期滞在査証免除対象国を93カ国に拡大。
日本国籍者を含む短期滞在査証免除対象国籍者のタイ入国時の滞在日数を従来の30日から、60日に延長する。
留学査証終了後1年間の滞在許可
教育ビザでタイに滞在している者を対象に、高等教育・科学・イノベーション省による証明書取得者は、学業を終えた後の1年間、就職活動等を行うための滞在を認める。
デスティネーション・タイランド・ビザ(DTV)の新設
リモート・ワーカー、フリーランサー、ムエタイや格闘技を学ぶため等に滞在を希望する者のためにDTVを新設し、対象者は滞在期間180日とする、更に一度180日の延長を可とする。
リタイアメント査証申請要件の保険内容の変更
リタイアメント査証申請要件として提示する保険証券の内容を、外来患者の治療費40,000バーツ以上、入院患者の入院費400,000バーツ以上が保証されるものに変更する。
60日滞在に延長は今月中には開始?
相変わらず突如可決され、翌日から施行となりがちなタイですが、今回はさすがに急すぎたのか、ネット上のいろんな方の声を聞くと、入国時のスタンプは未だ30日のようです。入管職員の作業的にはスタンプを60日にすれば良いだけなので、システムが遅れているのでしょうか。いずれにしても60日への変更はもう少しかかりそうです。
タイ観光業の下降に対しての措置か
タイ政府は観光業について力を入れていくことを高らかと宣言しており、観光促進を目的としたキャンペーンなどをアピールする機会が増えているように感じられますが、世界経済フォーラム(WEF)の2024年の旅行・観光開発指数に基づいた世界ランキングでは、タイは昨年の36位から47位に11位も順位を下げてしまっており、これに対して国内では不満の声が上がっているようです。
タイの近隣国では、シンガポール13位、インドネシア22位、マレーシア35位となっており、タイを引き離していることも不評を買っているのかもしれません。
(ちなみにこのランキングで日本は3位)
このように、タイ経済において重要な位置を占める観光業の振るわなさに、テコ入れするかたちとなっているであろう今回の変更。果たして効果があるのかどうか、感覚的には、あまり有り難くない入国者も増やしてしまうリスクを孕んでいるように思われます。