
バンコクでタイ料理のお店の入り口あたりと見ていると、ときどき緑色のどんぶりのようなものが描かれた看板があるのを目にします。系列店にしては各店料理のカテゴリーが違いすぎるし、いったい何を意味しているのでしょうか?
実はこのマーク、タイのミシュランともいわれるグルメの評価を表したマークで、「緑の丼」のマークのあるお店は美味しい料理や優れた食材を提供していると認められたお店ということなんです。ではその緑の丼がどのようなものか、そして緑の丼マークのある有名なお店をいくつかご紹介したいと思います。
緑の丼マークについて

緑の丼マークは、1961~98年にタイの石油会社であるシェルが“Shell Chuan Chim”という企画で、「ガスを使って美味しいお料理を」という趣旨のキャンペーンを行ないました。その際に美味しいと認められたお店に対して緑の丼を表示する許可を与えるという制度が作られました。
そしてこの制度に一役買ったのが、グルメなタイの王族として知られるタナッシー氏。シェルから依頼を受けた食通の彼が自らお店を訪れて料理を食べ、美味しい料理と食材が提供されているお店であると認めた場合、認定書及び緑の丼をお店に掲げることを許可しました。緑の丼の看板をよく見るとタナッシー氏のサインが入っていますよ。

なぜこの緑の丼マークに信頼があるかというと、審査をするタナッシー氏はいつも抜き打ちでふらりとお店に現れるため、お店側からはアピールができませんでした。常に良い料理と食材を提供していないと認められないということになりますね。
残念ながら緑の丼の企画は1998年をもって終了しています。現在この緑の丼マークのあるお店は1961~98年に認定されたお店のみですが、緑の丼は未だに美味しいお店選びに大きく役立っています。
バンコクの緑の丼認定の人気店
緑の丼のある美味しいお店としてよく話題になるお店を2店ご紹介いたします。ああ、あのお店ってそうだったのか〜と思う方もいるかもしれませんね。
プロンポンにあるクイッティアオ専門店「ルンルアン」

ルンルアンはプロンポンのスクンビットソイ26にあるクイッティアオのお店です。なんとこちらは本物のミシュランの、ビブグルマンに選出されています。コスパが良くて上質な料理を提供するお店に認定されるもので、緑の丼マークとともに期待を裏切らない美味しさですよ。地元タイ人と観光客でいつも席が埋まっている人気店です。

ここはクイッティアオを自分好みにカスタマイズできます。麺の太さと麺の種類、具、そしてスープを選びましょう。具で人気なのは豚肉、モツそして魚のつみれなどで、おすすめは具が全種類入ったMixです。そしてスープでは醤油味、トムヤムスープなどが選べます。

こちら定番のお米の麺に具はやはり人気のMix。スープはスタンダードなクイッティアオスープ。これでお値段は60バーツ、贅沢な具のクイッティアオが200円くらいで食べられます。
店舗情報
Rung rueng
電話:02-258-6746
住所:10 Sukhumvit 26, Bangkok
マップ
シーロムにあるカオマンガイ専門店「ギンヘン」

ビジネス街のシーロム通りにある、蒸した鶏肉をご飯にのせたタイのポピュラーな料理カオマンガイの人気店です。場所柄平日のランチタイムは会社員で溢れています。

柔らかい鶏肉と味のよくしみた炊き込みご飯はペロリと平らげられます。薄味の出汁のスープ付きで40バーツのおよそ130円という安さです。この他の人気メニューに揚げた鶏肉のカオマンガイトートがあります。
店舗情報
Kin Heng
電話:02-632-0200
住所:Silom Road, Silom, Bangrak, Bangkok
マップ
代替わりで味が変わったお店も
緑の丼の評価はお店に対してではなく、そのお店の料理や食材についてのものです。そして代替わりなどでお店の味が変わってしまっても、緑の丼のクオリティを維持しているかチェックがされているわけではないので、キャンペーン当時と現在の味の違いは比較できませんが、このユニークな格付けは話のネタにもなり面白い制度の名残といえますね。特に上記にあげた2店は満足できる味なので、まだ行かれていない方は是非食べてみてほしいと思います。
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