新型コロナウィルス拡大防止対策のため、現在タイではビジネス関連のビザ保持者などを除き、実質鎖国状態ですが、コロナ前にタイに入国して飛行機が飛ばなくなり出国できなくなった外国人について、タイ政府は短期ビザの自動延長を繰り返してきました。
延長期間は9月26日で終了とみられていましたが、9月28日にタイ政府の決議で10月31日までの自動延長が決定しました。その詳細や、新たに導入が検討されている特別観光ビザについてふれてみます。
非常事態宣言の延長
まずまだ続いていたのかと思ってしまう非常事態宣言ですが、9月30日までとなっていたところを9月28日タイ政府の決議で更に1ヶ月延長され、10月31日までとなりました。
この非常事態宣言の延長ですが、国民の間では内閣の政治利用だと批判の声もありました。そのせいかどうかわかりませんが、反政府集会の禁止などはされておらず、9月に入ってから反政府集会が増えています。
滞在許可延期間が10月31日まで自動延長決定
滞在許可延期間について
新型コロナウィルスの拡大防止対策として、タイ国外からの入国を禁止したため、旅客便も飛ばなくなり、タイから出られなくなった外国人が多くいます。
このため、観光ビザやアライバルビザなど短期ビザで滞在していた外国人について、ビザの自動延長が救済措置として7月から繰り返され、この自動延長も9月26日で終了とみられていましたが、9月28日タイ政府の決議で10月31日まで自動延長となりました。
これには、タイ国内に15万人以上といわれる外国人がタイ経済への収入源となっているということで、当初は否定的であった自動延長について、特に深刻な打撃を受けている観光業界からの陳情なども配慮されたかたちのようです。
また、実際に帰国を促しても飛行機が飛んでいない国が多いことも延長の大きな原因となったようです。
90日レポートについて
タイに暮らす外国人は、継続滞在が90日を超える場合、90日ごとに住所申告届を出すことが義務づけられています。
私の場合、ここ一年は3ヶ月ごとに近隣国に出国していたので、最近その存在を忘れがちで、90日レポートもビザと同じく自動延長になっていたので、すっかり9月26日までで良いのかと思っていましたら、これが紛らわしいのですが、90日レポートは8月31日までに提出しなくてはならず、それを知ったのが3日ほど過ぎた頃で、手続きのため余計な出費をする羽目になってしまいました。
特別観光ビザ
現在タイではビジネス関係のワーキングビザ保持者などを対象に緩和措置がとられ、入国ができるようになっていますが、一般観光客は入国が認められていません。このため、観光立国であるタイは大きな経済的打撃を受けています。
国内の感染者数発表はゼロが続いており、タイ政府の規制緩和が囁かれていた中、長期滞在の外国人誘致に向けて、「特別観光ビザ」が10月1日から実施されることになりました。
ビザについて
対象国:感染リスクが低い国
期間:初回90日の滞在日数で発給され、その後90日を2回まで延長でき、合計で270日の滞在が可能
発給条件:タイ入国時の14日間の隔離、保険加入、タイ滞在中のホテル・住居の証明など
申請手数料:2000バーツ
特別観光ビザでまず最初に入国するのは、中国の広州からのツアー客で、10月8日からプーケットに150人規模で到着するとのことです。
この先の見通し
今回9月26日までの期限で、自動延長はないと思われていましたが、外国人が今のタイ経済の足しになっていること、そして現実的に飛行機が飛んでいないので、帰国が困難ということなどから10月末までの自動延長が決まったようです。
そして、このまま鎖国をしていても経済は疲弊していくばかりということで導入となった特別観光ビザ。今後日本が対象となるのか気になるにところです。
ビジネスの最前線で勝ち残るための必要な情報が凝縮 日経ビジネス