ベトナム最大手のコングロマリットであるビングループの子会社VinSmartから発売されているVスマート(Vsmart)が着実にシェアを広げています。早くも5G対応機種を発表するなど、ビングループは不動産以外にも通信業界においてもその存在感を示しています。Vスマート(Vsmart)、そして端末デザインなどについてご紹介いたします。
ビングループについて
ビングループ (Vingroup)は、ベトナム最大の 私有企業であるコングロマリットです。一番知られているのは不動産業。ビンタン区にはビンホームズ・セントラルパークというニュータウンを開発しています。その他にもホテル・リゾート開発、遊園地、小売業、病院事業、教育など様々分野で事業展開しており、ビンスマートによって通信業界参入を果たしました。
歴史は1993年にファム・ニャット・ブオンがウクライナにおいてテクノコムを創業。この頃はMivinaのインスタント食品を製造していたのいうので、不動産がメインの現在からすると意外な気がします。その後2000年にベトナムでビンコムとビンパールの事業を開始。2007年にホーチミン証券取引所に上場しました。
ビングループがニュータウンを形成。ホーチミン最先端都市区の記事もあわせて御覧ください。
シェアを広げるビンスマート(VinSmart)
2018年スペインのBQ社の株式の過半数を取得ビングループは、子会社のビンスマートによりAndroidをベースとしたスマートフォンを開発しました。それが同社ブランドの「Vスマート」です。2019年になると、フランスのArchosと資本業務提携を結び、同社の株式60%を取得しています。
発売されたVスマート低価格であり、デザイン性も受け入れられやすいため人気を高めています。リリースしている機種も多く、2020年、ドイツの市場調査会社GfK調べで、2月、3月の2か月連続で10%を超えたことが発表され、SamsungとOppoに次ぐ3位の快挙となっています。7月に入って東南アジアの企業では初の5G対応機種となる「Vスマート・アリス5G」が発表されました。
Vsmartホームページ
URL:https://vsmart.net/eu-vi売り場で見たVスマートの各機種
手前右はLIVEという機種。値段からすると上位機種のようですが、349万ドンなので日本円で約16,000円と安いですね。
左隣のJOY3は269万ドン(約12,500円)です。
こちらの機種は139万ドンなのでなんと6500円です。とても安いですね。
デザイン・カラーもなかなかカッコいい。トレンドとして某国製っぽさ(笑)はありますが、これならベトナムの若者も持ってもいいかなと感じるでしょう。
Vスマートの更なる拡大
所得に格差のあるベトナムにおいて、スタイリッシュなデザインの新品スマートフォンが低価格で手に入るため、人気が上がっているのも頷けます。
ベトナムでもSamsung、そしてファーウェイなどの中国系が浸透しているので、国産ブランドが注目されてシェアと広げているのは新しい可能性を見るようで興味深いです。
販売国はベトナム以外に、ウクライナ、ミャンマーなどがあり、更に近隣国での展開を目指しています。
通信業界における日本ブランドは、東南アジアではほとんど名前が出ることはありません。寂しい気がしますが、今後の日本が様々な業界において台頭してくる東南アジアの国々にどう食い込んでくるのか見ていきたいです。
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