【ベトナム】2019年第1四半期ベトナム経済事情に見る変化の動向

【ベトナム】2019年第1四半期ベトナム経済事情に見る変化の動向

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在ベトナム経済事情日本大使館経済班は2019年4月、ベトナム経済事情統計総局(GSO)による第1四半期ベトナム経済事情経済事情を発表しています。この調査結果で近年のベトナムの日本を含む対外的な経済動向を、ASEAN進出でベトナム起業に向けた参考資料としていくつかの項目を見ていきます。

(引用元:在ベトナム日本大使館経済班)

ベトナムの経済成長

国内総生産(GDP)成長率は6.79%で昨年同時期の7.45%に比べるとやや鈍化の傾向ですが、貿易活動は安定しており、外国投資、内需によって堅実な経済成長が続いているといえます。

カテゴリーで見ると「農林水産業」、「工業・建築業」、「サービス業」が堅調な成長を保ち続けています。ADB「アジア経済見通し2019」によれば、世界経済の減速による影響を受けながらもベトナム経済は対外投資、輸出、内需によってGDP成長率は6.8%に伸びると予想。

(ADBは東南アジアのGDP成長率を4.9%、アジア新興国を5.7%と予測)

産業別のGDP成長率

分野2018年第1四半期 2019年第1四半期
合計 7.386.79
農林水産業 4.052.68
 農業 3.761.84
 林業 5.034.2
 漁業 4.765.1
鉱工業・建設業 9.78.63
 工業 10.088.95
 鉱業 0.4-2.2
 製造業 13.5612.35
 電気・ガス 10.59.6
 水道 7.128.45
 建設業 7.466.68
サービス業 6.76.5
 商業 7.457.82
 ホテル・レストラン 7.66.22
 金融・保険 7.727.71
 不動産業・コンサル ティング 3.564.75

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ベトナムの物価等動向

消費者物価指数(CPI)は前年同期に比べ、2.63%の上昇。

カテゴリーで見ると「教育」が6.12%で最も大きく、「食品類」「住宅・建材」もそれぞれ上昇。

2019年もベトナム政府は物価上昇率を年平均4%以下に抑制することを目標としています。

消費者物価指数(CPI)の伸び率

項目前年同期比前年同期比
食品類4.685.18
 穀物0.241.15
 食品6.096.6
 外食3.443.69
飲料/たばこ 1.71.7
医療・履物・帽子 1.671.69
住宅・建材2.811.82
家庭用品1.291.33
医療品・保健医療-0.21.11
交通 -1.67-3.39
郵便通信 -0.79-0.78
教育 6.126.29
文化・スポーツ・娯楽 1.921.94
その他物品サービス 2.132.18
全体2.72.63
コアインフレ 1.841.83

ベトナムの金融・為替の動向

国家中央銀行(SBV)は2019年における銀行貸出伸び率の目標を、前年並みの14%で設定。

貸出は経済成長を支えるため、優先事業分野に焦点を定め、高リスク分野に対する融資を抑制し質の高い融資を行うことを目指します。

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貿易動向

越統計総局の速報値によると、2019年の第1四半期年の輸出額は前年同期比4.7%増の585億1,300万ドル。

輸入額は同じく8.9%増で579億7,700万ドル。貿易収支は5億3,600万ドルの黒字。

国別輸出先は米国が1位。次いで中国、韓国で、日本は9.4%増の47億ドルと続きました。

国別の輸入元は中国が1位。2位韓国、日本は13.4%増の190億ドルとなりました。

輸出品目別では「電話・電話部品」、輸入品目別では「電子・電子部品」が最大。

2018年にサムソン・ベトナム社の輸出額が600億ドルに達し、ベトナムの輸出総額のおよそ25%を占める見通しであることが明らかにされました。

貿易動向表(単位:億ドル)

主要品目 輸出額 増減率(%) 主要品目 輸入額 増減率(%) 
電話・電話部品 120.5-4.3電子・電子部品 11712.2
繊維・縫製品 7313.3電線・ケーブル 87.215.1
電子・電子部品 69.39.3織物・繊維製品 28.46.4
履物 39.815.3電話・電話部品 28.3-15.4
電線・ケーブル 395.2鉄鋼 22.84.1
木材・木工品 22.917プラスチック 22.14.1
輸送機材・部品 227.6自動車・自動車部 品 18.3103.7
水産物 17.4-1.4その他金属 14.8-11
鉄鋼 10.73.6プラスチック製品 14.77.8
カメラ・カメラ部 品 9.9-6.1縫製品・履物原材 料 13.68.8
合計 585.14.7合計 579.88.9

主要国別貿易(単位:億ドル)

項目米国 中国 韓国 日本 EU ASEAN その他 全貿易額 
輸出13076474710263120585.13
輸入30150118473682117579.77
貿易額16022616594138145236.91164.9
貿易収支100-74-71066-193.365.36

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対ベトナム投資の動向

新規認可額は38.2億ドル(785件),追加投資認可額は13億ドル(279件)。

国別で香港が44億ドル(全体の40.7%)1位。次いでシンガポール、韓国、中国そして日本と続きます。

市・省別でハノイ市が41.5億ドル(全体の38.4%)1 位。次いでホーチミン市、日系工場のあるビンズオン省、バクニン省、ドンナイ省と続きます。

産業分野別で製造・加工業が84億ドル(全体の77.7%)、次いで不動産、科学・技術と続きます。

大型案件はBeerco(香港)からVietnam Beverageへ38.5億ドル出資。Goertek(香港)がバクニン省での電子機器製造へ2.6億ドル投資。Guizhou Tyre (中国)のティエンザン省におけるゴムタイヤ製造への2.1億ドルの投資。Royal Pagoda

8Private Limited(シンガポール)のゲアン省における縫製品製造への2億ドルの投資。

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海外労働者派遣

2019年第1四半期に32,433人のベトナム人労働者が海外に派遣され、国別・地域別の派遣先では19,056人で日本が1位。次いで,台湾、韓国と続きます。

ベトナム人海外労働者派遣実績

送り先 合計 うち女 性 
日本 19,0566,616
台湾 10,9763,911
韓国 977160
サウジアラビア 284236
ルーマニア 358– 
マレーシア 19190
アルジェリア 205– 
その他 386191
合計 32,43311204

伸びを見せるサービス業

相変わらず人気のベトナム進出です。サービス業が伸びているのも内需と観光客の増加によるものでしょう。延期宣言がでましたが、地下鉄が完成したときの準備をしている企業も多いかと思います。

あと求人などを見ているとITのオフショアが目立ちます。一時期のタイのようですね。タイは労働賃金が高騰してしまったので、今後しばらくはベトナムが続き、そしてミャンマーなどに流れていくのでしょうね。

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