3月25日、タイ政府は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、非常事態宣言をタイ全土に発令しました。このため、タイへの外国人の入国が禁止となり、外出禁止令は出ていないものの、今後更なる規制が検討されています。期間は今のところ3月26日から4月30日までとされています。
外国人のタイ王国入国禁止について
「仏暦2548年非常事態における統治に関する勅令」(非常事態令)第9条に基づく決定事項を発表しました。その第3項において,外国人の入国が禁止となっています。
期間
3月26日〜4月30日
外国人の例外(政府関係者などを除く一般人について)
タイ国籍を有していないが労働許可証を有する者,もしくはタイ当局からタイ国内で働くことを認められた者。
なお,日本からタイに入国した後は,自宅などで14日間の自己観察実施が要請されております。
非常事態宣言で検討されている実施すべき措置
不要不急の外出は控え、以下にあげる人々は特に新型コロナウイルスの感染による重症化のおそれが高いため,外出を控えるよう努める。
1. 70歳以上の高齢者
2. 糖尿病などの持病がある人
3. 5歳未満の子供
タイ国内の国境
3月23日から,タイ国内全ての陸上国境(17県内18カ所)を原則閉鎖することが発表されています。
航空会社の運休状況
タイ政府による入国規制を受け、日本 – タイ間における運休が相次いでいます。タイ国際航空も多くの便が運休と期間の延長が発表されています。
タイ国際航空、運航計画変更のお知らせ
URL:https://www.thaiairways.com/ja_JP/news/news_announcement/news_detail/S20flight_schedule.page
日系航空会社の運休状況
ANA
URL:https://www.anahd.co.jp/group/pr/202003/20200324-2.html
JAL
URL:https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/inter/200313_04/
タイ在住で一時帰国などを検討される場合は各航空会社の最新情報収集に努めましょう。
一ヶ月後には何が待っているのか
ついにタイも非常事態宣言が発令されました。
3月25日のタイ保健省の発表では、
新規症例数:107名
累計症例数:934名
新規死亡者数:0名
累計死亡者数:4名
累計治癒数:70名
やはり先日の集団感染から日を追うごとに感染者が増えてきています。そして今回の非常事態宣言や施設閉鎖で、バンコクなどの都心に住んでいる人も田舎に帰る人増え、バンコクの北バスターミナルもかなり混雑したと聞きます。
また、ラオスなどから出稼ぎに来ていたタイ近隣諸国の外国人も、国境閉鎖のため国に帰ることもできず、住んでいた部屋から退去命令が出て行く宛がなくなってしまった、などの状況に追い込まれている人もいるようです。
今回の規制でたくさんに人が一気に国内を移動していますが、コロナウィルスも一緒に移動しているように感じられ、更にタイ国内で広がる懸念があります。
いずれにしましても、いつかは収束できていなくても規制を緩めるときが必ず来ます。でなければ本当にタイ経済が立ち直れなくなってしまいますから。そのタイミングと判断をタイ政府がすることになりますが、まずはこの一ヶ月が終わって状況が好転することを祈るしかありません。
目まぐるしく規制が変わるのは東南アジアに住みはじめてから何度も経験していますが、今回ばかりは相手が未知のウイルスだけに先の見通しが立たないのは事実です。
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