【ベトナム】「ホーチミン地下鉄プロジェクト」で何が変わる?延期が続きながらも企業は周到に準備を進める

【ベトナム】「ホーチミン地下鉄プロジェクト」で何が変わる?延期が続きながらも企業は周到に準備を進める

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人口増加と急速に発展を遂げるホーチミンは交通渋滞と大気汚染が深刻な問題となっていますが、地下鉄による新たな交通手段として都市鉄道建設が始まりました。ベトナム国営ゼネコンと日系企業がJV(Joint Venture)となって進められていますが、当初の完成予定から3年延期となっており今か今かという状況からいつになるやらというムードも。しかし周囲のビジネスは着実に地下鉄の完成に向けて遂行されております。地下鉄の概要とともに地下鉄完成後の変化予想についてお伝えます。

ホーチミン地下鉄概要

路線

ホーチミン地下鉄計画図Wikipediaより

6路線計画されているうち、1号線が最も早く開通の予定で、完成予定を2021年としています。1号線はベンタイン市場やオペラ座などのホーチミンの中心地1区から、ビンタイン区、2区を通過し9区のスオイティエンまでの区間となります。

メトロ1号線の各駅

駅名(日本語)(ベトナム語)
ベンタイン駅Bến Thành
ホーチミン市民劇場駅Nhà hát Thành phố
バソン駅Ba Son
ヴァンタイン駅Văn Thánh
タンカン駅Tân Cảng
タオディエン駅Thảo Điền
アンフー駅An Phú
ラックチエック駅Rạch Chiếc
フオックロン駅Phước Long
ビンタイ駅Bình Thái
トゥドゥック駅Thủ Đức
ハイテク区駅Khu Công nghệ cao
スオイティエン駅Suối Tiên
新東部バスターミナル駅Bến xe Miền Đông mới

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参加日系企業

ホーチミン地下鉄計画には多くの日系企業が請け負っています。工区は都市部の地下を2工区、そして都市部を抜けて地上に出た高架区間を1工区の3つの区域にわかれています。

都市鉄道1号線建設工事パッケージ1a

三井住友建設と地場のゼネコンとのJV

長さ:750m

地下鉄ベンタイン駅約240m(内装、設備工事含む)

軌道トンネル約510m

都市鉄道1号線建設工事パッケージ1b

清水建設(株)と前田建設工業(株)のJV

長さ:1740m

オペラハウス駅(ホーチミン市民劇場駅)-バソン駅間シールドトンネル

都市鉄道1号線建設工事パッケージ2(高架区間)

住友商事と地場のゼネコン

度重なるホーチミン地下鉄の開通計画の延期

東南アジアのよくある完成の遅れですが、このホーチミン地下鉄の場合はややひどく、2011年の時点で2017年に完工予定でしたが、2018年、2019年、とほぼ毎年延期宣言をしており、そして2019年には2021年まで延期という発表がありました。

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ホーチミン地下鉄で何が変わる?

渋滞の解消

慢性化した交通渋滞はホーチミンの場合バイクによるところが大きく、車も年々増えてはいますがまだまだ一般的に手の届く金額ではないため、今でも市民の交通手段はバイクが主流です。このバイクの渋滞の影響でバスは遅れ、ますますバイクが増えるという負のスパイラル。しかし時間が読めて、女性は日焼けの心配のない地下鉄なら利用客も大いにあることでしょう。これによって通勤渋滞の緩和につながるかと思います。

環境問題の改善

ベトナムの大気汚染は死亡原因にも影響していると言われています。これは深刻な問題でしたが、地下鉄の利用によってバイクの数が減ってくれば、環境問題も改善に繋がって行くでしょう。

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駅周辺地域の活性化

不動産の拡大

電車の駅が出来ると当然駅周辺は発展していきます。その移動の利便性から多くの人が駅周辺に住むようになりますので、不動産のデベロッパーなどによる開発が活発になります。顕著なのがビンタイン区に新しく出来たニュータウンのビンホームズセントラルパークでしょう。ランドマーク81を中心とした敷地内にはタンカン駅が設置される予定となっています。

飲食業企業の進出

駅周辺に居住区が出来ると飲食業の企業などが進出してきます。各駅エリアの特性があるため新たなビジネスチャンスが生まれる可能性を秘めています。

観光客の増加

バンコクなどの公共交通の発達した都市に比べると、移動の手段が車しかなかったホーチミンにとって、地下鉄での移動が可能になれば観光にも大いに役立ちます。ホーチミンはすでに人気の観光地ですが、更に観光客が増える大きな要素となります。

ホーチミンでの移動を便利に

とても魅力的な町ホーチミンですが、移動に関しては車一択でいつも渋滞しているためなかなか目的地に着けず、移動自体が億劫になってきて、最近は訪れるたびに行動範囲が狭くなっていっていることに気づいてしまいます。地下鉄は私のような移動に倦怠したリピーターを再び活発的にしてくれる重要な移動手段となってくれることでしょう!

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