【タイ】バンコクの街中がアートギャラリーに!バンコクアートビエンナーレ2018

【タイ】バンコクの街中がアートギャラリーに!バンコクアートビエンナーレ2018
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2018年10月19日〜2019年2月3日の期間、タイでは初の大規模なアートイベントとなるバンコクアートビエンナーレ2018が開催されました。作品は寺院やモール、ホテル、屋外などに展示され、まさに街中がアートギャラリー!乾季の過ごしやすいバンコクで楽しまれたASEANのコンテンポラリーアートシーンの中でも注目の同イベントを2回に渡ってご紹介します。

バンコクアートビエンナーレ2018について

バンコクアートビエンナーレ2018は、Bangkok Art Biennale Foundationによってコンテンポラリーアートに対する認識の促進と、アートを通じてタイ国内からASEAN諸国、そして国際的な広がりを目指した本格的なアートイベントです。アートディレクターにはApinan Poshyananda氏が迎えられ、アジア、ヨーロッパなどから計75人(組)が参加しました。日本からは草間彌生さん、奈良美智さんが作品を出展しています。

アートビエンナーレ作品のある会場

バンコクの20箇所が展覧会場として設けられました。

BAB Box @ONE BANGKOK

Wat Pho

The EmQuartier

Nai Lert Park Heritage Home

Wat Prayurawongsawas Waraviharn

Wat Arun

Bank of Thailand Learning Center (BOT)

Alliance Française Bangkok

Siam Discovery

Siam Paragon

SIAM SQUARE ONE

Siam Center

Bangkok Art and Culture Centre

The East Asiatic Building

South East Insurance Tower

CENTRAL EMBASSY

Central World

Theatre of Indulgence

THE PENINSULA BANGKOK

Mandarin Oriental, Bangkok

O.P. Place

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寺院で楽しむコンテンポラリーアート

タイらしさが最も感じられるのはやはり寺院ですね。アート作品とともにタイの寺院のすばらしさも体験することができました。

暁の寺・ワットアルン

三島由紀夫の小説「豊饒の海」第三巻・暁の寺の舞台となった暁の寺はチャオプラヤー川の寺院めぐりでもハイライトとなるスポットです。

主な作品

” Giant Twins”、” Arun Garuda”

伝統的なモチーフで寺院にマッチした作品。

作家プロフィール

Komkrit Tepthian(タイ)

King Mongkut’s Institute美術講師、Technology Ladkrabang、Vocational Training Center、Worajanyawat寺院のインストラクター

展覧会

Art Central Hong Kong 2018

Art Stage Singapore 2018他

“Across the Universe and Beyond”、”Mythical Escapism”、” From the World Inside/Across the Universe”

庭園を利用した環境アート作品。反射物によるオブジェが設置。

作家プロフィール

Sanitas Pradittasnee(タイ)

ランドスケープ・アーキテクチャーなどのアートプロジェクトに携わる。

ワットポー

巨大な黄金の涅槃で有名なワットポー。展示された5つの作品は広い境内の中に点在しており宝探しのようなアトラクション的要素がありました。

主な作品

“Sediments of Migration”

コンクリート、アクリル、鉄などを使用したインスタレーション作品。

作家プロフィール

Pannapan Yodmanee(タイ)

受賞歴

11th Singapore Biennale 2016 ベネッセ賞

Time Lapse、New Historical Drama in Beijing

Asia Pacific Triennial 2018 in Brisbane

“A Shadow of Giving”

黄銅、銅&亜鉛メッキを使用したインスタレーション作品。数学的な要素と仏教哲学を感じさせる。

作家プロフィール

Tawatchai Puntusawasdi(タイ)

主要な芸術祭参加〜日本、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、台湾そしてASEAN諸国など

ワットプラユラウォンサーワート

チャクリー王朝のラーマ3世の治世中に建設された寺院ワットプラユラウォンサーワート。スリランカ-アユタヤ様式の白い仏塔はたいへんインパクトがあります。

主な作品

“Turtle Religion”

幼年期の思い出をモチーフとしたユーモア溢れる彫刻作品。

作家プロフィール

Krit Ngamsom(タイ)

Education

School of Art at Bangkok University

King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang ビジュアルアート修士号

展覧会

Bangkok Bananas

Imagine Peace

Bangkok 226

Traces of Siamese Smile at Bangkok Art and Culture Center

Nuova (Arte) Povera Osage Gallery Hong Kong

Thai Transience Singapore Art Museum

“Zodiac Houses”

金属や木材そしてハーブが素材として用いられている。この作品では、死者との交信や占星術による啓示、宇宙空間を表す。

作家プロフィール(タイ)

Montien Boonma

インスタレーションアート、ミックスメディアアート作家

展覧会

The 51st Venice Biennale or Salas for the Mind (1995)他

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ウォーターフロントエリアで楽しむコンテンポラリーアート作品

チャオプラヤー川の有名ホテルや歴史的建造物内が展覧会場となりました。

ザ・ペニンシュラ バンコク

全370室のチャオプラヤーリバービューが楽しめるホテル。

主な作品

” The Female Angels”

昆虫のようにも見える不思議な天使の人形。電動で声や羽が動く仕掛けになっている。

作家プロフィール

Heri Dono(インドネシア)

展覧会

2016 Nirvana:Tropical Rebirth他

マンダリンオリエンタルバンコク

香港を本拠地とするマンダリン・オリエンタルホテルグループ傘下の高級ホテルに巨大オブジェが展示されました。

主な作品

“Lost Dog”

ファイバーグラスに金箔を施したインスタレーション作品で高さは5.9m。人類が引き起こす様々な問題の中で、いかにして幸福に生きるのか作品の犬は模索する。

作家プロフィール

Aurele Richard(フランス)

世界中の公共やアートフェスティバルに参加。犬の彫刻シリーズを多く制作。

オーピープレイス

O.P. Placeはチャクリー王朝からの続く長い歴史を持ったヨーロッパとタイの建築様式が混ざりあったショッピングセンターです。

主な作品

“Becoming White”

ディズニーの白雪姫をモチーフにしたパフォーマンス、アーカイブ資料、ビデオ、サウンドを含む一連の作品で、幸福を感情労働として表現。

Eisa Jocson(フィリピン)

振付家、舞踊家、パフォーマンスアーティスト。

主な作品

Death of the Pole Dancer 2011

Macho Dancer 2013

Host 2015

Happy Land series 2017

イースト・アジアティック・カンパニー

すでに建物がアートとなっているような歴史的建造物であるEast Asiatic Companyは、1897年にコペンハーゲンでHans Niels Andersenによって設立されました。建物は1900年にAnnibale Rigottiによるデザイン。1995年までEast Asiatic Company (Thailand)の本社として機能していました。

主な作品

“Diluvium”

スチールやシルバーテープを使用したインスタレーションは、ベネチアンスタイルの建築と見事に対比。

作家プロフィール

Lee Bul(韓国)

彫刻、絵画、ライブパフォーマンス、ビデオアートなどを手がけるミックスメディアアーティスト。

展覧会

Hayward Gallery, London 2018

National Museum of Modern and Contemporary Art, Seoul 2014

Musée d’Art Moderne Grand-Duc Jean, Luxembourg 2013他

“Rien n’est moins comparable”

チーク材を使用したインスタレーション作品。ローカルウッドを使用することでコロニアル様式と東西のコラボレーションを果たした。

作家プロフィール

Sara Favriau(フランス)

受賞歴

Prix Découverte des Amis du Palais de Tokyo 2017 優勝

展覧会

FMAC (collection of the city of Paris)

FDAC Essonne, MAC VAL (permanent installation, inauguration April 2018)

Vitry-sur-Seine, Paris, France

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モールで楽しむコンテンポラリーアート作品

モールの館内だけでなく屋外にも作品展示され、まさに街中がアートという雰囲気を感じることができる会場でした。草間彌生の作品は2つのモールで展示されました。

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草間彌生作品

“14 Pumpkins”(2017)

展示会場:セントラルワールド

草間彌生によるパンプキンに水玉の作品。天井から下げられたポップな作品は吹き抜けのモールにとてもマッチしており、商業的なディスプレイとしての効果にも一役買っていたといえる。

“I Carry on Living with the Pumpkins (red)” (2017)

ファイバーグラス強化プラスチック、タイル、スチールを使用した光沢のあるプライベートコレクション。

“Pumpkin” (2016)

ファイバーグラス強化プラスチック、ウレタンを使用。赤と黒のコントラストと水玉のバランス素晴らしいプライベートコレクション。

作家プロフィール

草間彌生

1929年生 長野県出身

1957年に渡米し、絵画や立体作品制作から、前衛パフォーマンスを実行。作品には水玉模様のモチーフが有名である。ファッションデザインや小説の執筆なども行う。

受賞歴

1995年、96年国際美術評論家連盟ベストギャラリー賞

2000年第50回芸術選奨文部大臣賞

2000年外務大臣表彰

2001年朝日賞

2002年紺綬褒章

2003年フランス芸術文化勲章オフィシエ

2003年長野県知事表彰

2006年旭日小綬章

2006年ライフタイムアチーブメント賞

2006年高松宮殿下記念世界文化賞

2009年文化功労者

2016年文化勲章

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街の中に現れた巨大インスタレーション作品

会場はバンコク中心地のモール横の屋外などに展開しました。

“Happy Happy  Project : Fruit Tree”

展示会場:セントラルエンバシー

インフレータブルの巨大インスタレーション。突然街の中に出現した巨大フルーツは見る人をハッピーな気分にさせてくれる。

美術館で楽しむコンテンポラリーアート作品

BANGKOK ART AND CULTURE CENTREを中心に多くの作品を見ることができました。期間中は作品の入れ替えもあり、アーティストによるパフォーマンスも行われました。

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バンコクアートビエンナーレ2018を振り返って

会場の作品配置意図が素晴らしかった

タイでは初めての大規模なアートイベントということで、観光都市であるバンコクのエリアを効果的に展覧会場として使ったところがナイスアイデアといえるでしょう。観光客にも目がとまる寺院では仏教哲学の影響もある作家のスピリチュアルな作品を見ることができました。


街の中に出現した作品と内省的な室内の作品

これぞ街中がアートといった感じの巨大なインスタレーション作品で観光客にも地元タイ人にも強く印象に残ったのではないでしょうか。草間彌生さんのパンプキンはモールでも存在感がありとても魅力的でした。個人的にはオーピープレイスの展示作品が内省的な印象を受けるものが多くて好きでしたね。また次回のバンコクビエンナーレが楽しみです。

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