【タイ】バンコクアートビエンナーレ2020 ”ESCAPE ROUTES” 告知イベント「BAB Live! Revealing our next 40 BAB 2020 Artists & Venues」レポート

2020年10月29日〜2021年1月31日の期間、バンコクの街や寺院がコンテンポラリーアートの会場となるバンコクアートビエンナーレの季節がまたやってきます。

今回のテーマは「エスケープルート」。様々な問題を抱える世界からの脱出がアートで表現されます。

ビエンナーレに先立ち、6月15日にBAB Box @ONE BANGKOKにおいて、最高運営責任者兼芸術監督であるApinan Poshyananda教授と参加アーティスト数名によって行われたトークセッションの模様をお伝えします。このイベントはFacebookでライブストリーミング配信されました。

バンコクアートビエンナーレ2020のテーマ ”ESCAPE ROUTES”について

バンコクアートビエンナーレ2020のテーマは「エスケープルート」です。現在私達が抱える苦境基づき、そこからの脱出を模索する試みとなります。私達を悲観的にさせる新型コロナウィルスや、世界で起こる様々な紛争、差別、テロ、サイバー攻撃などのニュース。この迷路のような状況をアーティストや思想家の目を通して未来に立ち向かっていきます。

アーティストは環境問題、政治的差異、ジェンダー問題などについて、瞑想や考察、癒やしなどが人々に与える希望を、心のエスケープとしてアートを提供します。

BAB Live! Revealing our next 40 BAB 2020 Artists & Venuesレポート

会場となったBAB Box @ONE BANGKOK

ルンピニ公園横にあるBAB Box @ONE BANGKOKで行われた同イベント。前回のビエンナーレで出展されたフランスの作家Aurèleの作品Lost Dogが設置されています。

受付を済ませ、レセプションで資料があるか尋ねると、ウィスット・ポンニミットさんのマムアンちゃんのかわいいトートバッグに入れてくれました。

バッグの中にはこんなノベルティカップも。

会場情報

ビデオ上映

まず行われたビデオ上映では、ビエンナーレ概要、参加アーティストの発表がありました。今回オノ・ヨーコが参加ということで、名前が出たときは見間違いかと驚いてしまいました。

Apinan Poshyananda教授よりエスケープルートについて

Apinan Poshyananda教授のインタビューも放映されました。エスケープルートというテーマが発表されたのが2019年11月で、新型コロナウィルスによるパンデミック前で、エスケープルートはコロナという大きな要素を組み込ことになりました。教授のことばとして、以下のような内容がホームページなどで紹介されています。

「絶望から逃れようとする人間の欲求を促す緊急の問題として、移住、失業、人種などの様々な差別、テロ、汚染、気候変動は、人間の抑圧と脅威の下で反応する本能を引き出します。

2019年11月、”オールドノーマル”を前提としたエスケープルートを発表しました。これは、現在の困難な状況から発生する問題への挑戦をテーマとしたものです。現在、多くの国際的なアートイベントやビエンナーレは延期や中止となり停滞しています。このため、アートはデジタル媒体やソーシャルメディアに依存することになっています。

現在の課題となるのは、アートワークをオンラインだけでなく物で表現する方法です。目標は共通である絶望と不幸からの脱出ですが、その方法や手段は同じではないことがあります。このパンデミックとそれに抗う新しい時代にアートに触れることは、解放と希望をにおける共感をもららすものです。

私達はこの不確かな時期に回復力を保ちつつ、アート業界がその仕事を提示し続けられるために戦います。かつてのビエンナーレからすると今では余裕のない状況となっており、違う背景での提示となることでしょう。」

Apinan Poshyananda教授とアーティストのトーク

映画評論家コン・リッディー氏が聞き手となった、Apinan Poshyananda教授とアーティストのトーク。会場からビエンナーレについての質問などもありました。

BAB関係者、アーティストの集合写真

Apinan Poshyananda教授とBAB関係者、参加アーティストの集合写真

プレスインタビュー

ブースでの囲み取材。

コロナを知っていたかのようなテーマ

「エスケープルート」。まるでコロナが来ることを予見していたかのようなテーマとなった今回のビエンナーレです。テーマが決まったのは2019年11月で、誰も現在のような世界的混乱が訪れるとは思ってもみなかったことです。

世界全体でコロナが収束していない状況での開催となるであろう今回、コンテンポラリーアートにおいてどのようにコロナが影響してくるのか、またどのように問題提起や表現されるのか、高い関心とともに待ち遠しく思います。

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バンコクアートビエンナーレ2020資料

キュレーター

•Asst. Prof. Wutigorn Kongka, Assistant Professor, King’s Mongkut Institute of Technology Ladkrabang, Faculty of Architecture, Fine Art Department 

•Ong Puay Khim, Head & Curator, Biennale and Residencies, Singapore Art Museum 

•Sun Wenjie, Head of Exhibitions, Red Brick Art Museum 

•Dow Wasiksiri, President, the Royal Photographic Society of Thailand

国際諮問委員会

•Marina Abramović, Performance Artist and President of Marina Abramović Institute (MAI) •Fumio Nanjo, Former Director of the Mori Art Museum, Tokyo, Japan 

•Alexandra Munroe, Senior Curator of Solomon R. Guggenheim Museum and Foundation, New York, USA 

•David Stuart Elliott, Vice-Director and Senior Curator of RMCA, Guangzhou, China 

•Wang Chen, Vice President of China Arts and Entertainment Group

参加アーティスト

会場

1. BAB Box 

2. Bangkok Art and Culture Centre 

3. The Para

4. The Prelude 

5. Lhong 1919

6. Museum Siam 

7. Wat Pho Temple 

8. Wat Arun Temple 

9. Wat Prayoon Temple