タイ国内での感染者がほぼ出ておらず、収束に成功していたタイですが、昨年12月よりコロナ第二波によって感染者の増加が続き、ついに1月4日タイ国内の28県が準ロックダウンとなりました。
今回の規制措置と、初日のバンコクの様子をお伝えいたします。
タイのコロナ第2波の経緯
URL: https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2044883/another-541-virus-cases-found-in-samut-sakhon
昨年12月19日、タイ保健省はバンコクの西側に位置するサムットサコーン県の、エビの養殖市場などで働くミャンマー人労働者を中心に548人が新型コロナウイルスに感染しているのを確認。これによって首都バンコクでも感染者が増加。
また、タイ東部のラヨン、チョンブリー、チャンタブリ3県においてもクラスタが発生。これらは違法賭博場に出入りしたことが原因と見られており、感染者が保健当局に申し出をせず、実態が明らかになっていない。
これらのことを受けて、まず大きなクラスタが起きたサムットサコーン県がロックダウン。そして年末からラヨン、チョンブリー、チャンタブリの東部3県が、モールや娯楽施設、タイ古式マッサージ、ナイトスポットなどの営業禁止を実施し、バンコクでもマッサージ、娯楽施設やナイトスポットの営業禁止を実施していました。
タイの各県を警戒レベルに応じて色分け
URL: https://www.facebook.com/informationcovid19/
タイ政府は、コロナ第二波の感染拡大を受けて、各県について警戒レベルに応じた色分けをしました。
感染者の多い特別警戒ゾーンをレッド、感染者10名以上がオレンジ、感染者10名未満がイエロー、感染者ゼロがグリーン。(グリーンの該当県はなし)
バンコクをはじめレッドゾーンは28県
今回準ロックダウンが行われたのはバンコクをはじめ、パタヤのあるチョンブリーなどの以下28県です。
バンコク、チョンブリー、ラヨン、アユタヤ、サラブリ、カンジャナブリ、ジャンタブリ、チャチュンサオ、チュムポン、トラート、ターク、ナコンナーヨク、ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニ、プラジュアブキリカン、プラジンブリ、ペチャブリ、ラチャブリ、ラノン、ロッブリ、シンブリ、サムットプラカン、サムットソンクラーム、サムットサコン、スパンブリ、サケーオ、アントン
追記(1月6日):
・特に感染者数の多い、サムットサコーン、ラヨン、チョンブリー、チャンタブリー、トラートの5県について、レッドゾーンの上となる最上級の警戒レベルゾーンに指定。
・レッドゾーンからの入県者は14日間の自主隔離。
レッドゾーンへの規制措置
URL: https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2044555/crackdown-in-virus-red-zones
タイ政府は、レッドゾーンに対して、新たな規制措置を発表しました。すでに各県でそれぞれの規制が実施されていましたが、今回の措置はレッドゾーン28県全体に適応されます。
Thailand’s Centre for COVID-19 Situation Administration (CCSA)によって、2段階にわけた規制が提案されており、第一段階の今回、1月4日から2月1日までのバンコクの規制は以下となっています。
学校など教育機関の休校
パブ、バー、カラオケなどの娯楽・歓楽施設の営業禁止
県間移動を避けるよう要請、検問所の設置とチェック強化
人が多く集まる会合などの活動を制限
在宅でのリモートワーク推奨
飲食店での酒類提供禁止
飲食店での午後9時から午前6時までの店内飲食禁止
(規制緩和はバンコク都知事によって判断される)
もし2月1日の時点に上記の規制でうまく抑え込みが出来なかった場合は、第二段階として、県間移動禁止や夜間外出禁止などの追加措置が実施されるものと思われます。
追記(1月6日):
・非常事態宣言は2月末まで延長。
・王宮とその関連機関は1月末まで閉鎖。
バンコクの準ロックダウン初日の様子
1月4日の新規感染者数は745人で過去最多となってしまいました。準ロックダウンではありますが、2回目の規制措置となったバンコクのお昼頃の様子です。
ランチタイムのアソーク。オフィスから食事に出かける会社員を見かけます。リモートワーク推奨ですが、出勤の必要のある人たちも多いですね。
アソークのスカイウォークは人もまばら。
Terminal 21の入り口。以前は1箇所のみしか中に入れませんでしたが、今は複数の入り口から入ることができます。訪問客管理アプリのタイチャナへのアクセスは変わらず必須。
館内は人が少ないですね。
飲食フロアもお客さんはいますが、多くはない感じです。
ソーシャルディスタンディングも再びきっちり対策されています。
フードコートでは席は一人がけで、グループでの食事は不可です。テーブルをくっつけようとしていた家族連れがいましたが、スタッフに制止されていました。
窓側の席もスッキリしてます。以前の席の取りの難しさが嘘のよう。
BTSアソーク駅構内はときどき人が列車から降りてきますが、圧倒的に少ないです。
プロンポンのエムクオーティエ。前回の営業再開当時ほど厳重ではありませんが、入店時は必須である検温とタイチャナのアクセスが徹底されています。
スカイウォークからのスクンビット通りの眺め。思ったより車がたくさん走っています。
今回の準ロックダウンで、規制も前回ほどきつくないことから、規制前とそれほど変わらない印象です。夜はめっきり静かになりますが、今のところ店内飲食もできますし、モールも開いてます。お酒が外で飲めないのは残念ですが、みんな規制中の生活には慣れていますので、淡々とした印象を受けます。
日本人に関するコロナ感染ニュース
日系企業の工業地帯があり、日本人の多く住むチョンブリー県にあるシラチャでもクラスタが発生しています。日本人向けスナックでの感染が確認されており、要注意のお店などが多数発表されています。
また、チェンマイからの日本人出張者がシラチャを訪れ、感染したことも報告されており、常に新たな情報に注意する必要のある状況です。
なんとか今回の第一段階で抑え込みがうまくいってほしいと切に願います。
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