タイでの起業を検討されている日系企業で、現地のマーケティングについてどうのように展開すればよいか情報収集すると、タイのマーケティングにおいてFacebookが重要な位置を占めているということを聞く機会が多かったのではないでしょうか。日本のFacebookの認識からするとちょっと不思議な感じがするかもしれませんね。
そこで2018、2019年のソーシャルメディアの統計調査を元に、実際のFacebookの利用状況などを見ていきたいと思います。
タイの特徴的なネット検索とFacebook活用法
タイに限らず東南アジア諸国では、先進国のようにパソコンが普及した後でスマートフォンが広まったような順序を踏まずスマートフォンが急速に発達し、価格も安価なものが出回りだしたことで、高価なパソコンを持たずともスマートフォンがあれば通信からエンターテインメントまでオールインワンで利用することができるようになりました。
このようにパソコン時代を飛び越えてスマートフォン時代へ突入したタイのデジタルの歴史では、今でこそGoogle検索が最上位に来たようですが、パソコン時代を経験した国に比べると、ネットで何か検索する場合の絞り込みや複雑な検索は少なく、Pantip(パンティップ)という人気の掲示板や、Facebookのコミュニティーから情報を得ることがまだ一般的です。
つまりこれは「口コミ」が強いということで、友人やコミュニティーからの情報の方を、オーガニック検索結果の情報より信頼し、好む傾向があるように感じられます。
また、私のタイ人の友人などは近隣国に旅行に行った際、現地ガイドをFacebookのタイに関心を持つグループから探し、タイ語が堪能な素人ガイドを安く雇うなど、日本人ではなかなかやらない効率の良い使い方をしています。
ソーシャルメディアに関する調査結果
ではソーシャルメディアに関する調査について見ていきたいと思います。情報元は、イギリスのデジタルマーケティング会社We Are Social Ltd.です。
We Are Social Ltd
ソーシャルメディア利用者数ランキング(2019)
世界のソーシャルメディア利用者数を見るとFacebookが圧倒的に多い23億2千万人です。話題のインスタグラムは1億人ほどでかなりの差があります。
1位 FACEBOOK 23億2千万人
2位 YOU TUBE 19億人
3位 WHATSAPP 16億
4位 FB MESSENGER 13億
5位 WEXIN / WECHAT 1億980万人
6位 INSTAGRAM 1億人
国別ソーシャルメディア利用時間ランキング(2018)
国別でソーシャルメディアの一日あたりの利用時間を見ると、フィリピンが1位という結果で、タイは4位とかなり高いランキングです。日本はO時間48分で少ないですね。
これを見ただけでもソーシャルメディアはタイ人に情報を伝える有効な手段であることがわかります。
1位 PHILIPPINES 3時間57分
2位 BRAZIL 3時間39分
3位 INDONESIA 3時間23分
4位 THAILAND 3時間10分
5位 ARGENTINA 3時間09分
6位 EGYPT 3時間09分
7位 MEXICO 3時間O7分
8位 NIGERIA 3時間02分
9位 MALAYSIA 3時間OO分
10位 U.A.E. 2時間56分
…40位 JAPAN O時間48分
各メディア利用時間 日タイ比較
各メディアの利用時間を日本とタイで比較してみましょう。
タイ
インターネット使用時間 9時間38分
ソーシャルメディア使用時間 3時間10分
テレビ視聴時間 4時間3分
ストリーミングミュージック 1時間35分
日本
インターネット使用時間 4時間12分
ソーシャルメディア使用時間 0時間48分
テレビ視聴時間 2時間29分
ストリーミングミュージック 0時間15分
タイではインターネットの利用時間が長いですね。おそらくYouTubeなども長い時間視聴しているためでしょう。
面白いのはストリーミングミュージックをタイでは一時間半くらい聴くのに、日本では15分とほとんど聴いていないですね。これはまだ日本がCDやアルバムを自分のオーディオ機器に入れて聴くためなのでしょうね。タイの方が音楽についてより消費的であるように感じられます。
各ソーシャルメディア利用時間 日タイ比較
ここではどのソーシャルメディアをどのくらいの時間利用しているか日本とタイの比較を見てみましょう。
タイ
FACEBOOK 75%
YOUTUBE 72%
LINE 68%
FB MESSENGER 55%
INSTAGRAM 50%
GOOGLE+ 45%
TWITTER 38%
SKYPE 22%
LINKEDIN 18%
PINTEREST 17%
WHATSAPP 17%
WECHAT 17%
日本
YOUTUBE 70%
LINE 54%
TWITTER 45%
FACEBOOK 34%
INSTAGRAM 24%
AMEBA 19%
GOOGLE+ 16%
FB MESSENGER 9%
SKYPE 9%
PINTEREST 3%
IMGUR 3%
TUMBLR 3%
タイではFacebookが75%と圧倒的ですね。YouTubeは同じくらい、日本でコミュニケーション手段として多いLINEと同じくらいタイではFacebookに連動しているMessengerを使っています。
タイではSkypeもよく使われますが、これは会社内の連絡ツールとして使われていることが多いです。私も会社にいるころは社内の伝達は全てSkypeでした。
>>社内のコミュニケーションなど海外でのビジネスには英語力が不可欠!
Facebook利用者数ランキング トップ10
ではいよいよ気になるFacebookの利用者数ランキングです。
国別ランキングではタイは8位、そして都市別ではバンコクが世界一!これは知っている方も多かったのではないでしょうか。明らかにバンコクの総人口を超えていますので、実際の利用者数の正確なところは不明ですが、これを見るとFacebookを使ったマーケティングは必要であるといえますし、またこれだけ訴求するチャンスがFacebookにはあるのなら、やらないのは勿体無いということになりますね!
以上タイにおけるFacebookを中心にしたソーシャルメディアについてでした。
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