【タイ】サンカローク焼博物館61番窯、Conservation and Study Center 42 and 123でタイの最古の窯跡を見る〜シーサッチャナーライ

【タイ】サンカローク焼博物館61番窯、Conservation and Study Center 42 and 123でタイの最古の窯跡を見る〜シーサッチャナーライ

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シーサッチャナーライ歴史公園に来たら遺跡を見た後、古窯をたずねてみてはいかがでしょう。日本でも「すんころく」の名前で知られるサンカローク焼きの窯跡が多く残っており、中でも大きな窯跡は博物館や研究保存センターとなっています。

シーサッチャナーライ歴史公園からまわれる、サンカローク焼博物館61番窯、Conservation and Study Center 42 and 123、そしてその道すがら見ることができる窯跡について詳しくご案内いたします。

サンカローク焼きについて

サンカローク焼きは、「宋胡禄(すんころく)」ともよばれるタイのサワンカローク周辺でつくられる陶器です。サワンカロークはスコータイ王朝時代に栄えた一つの都市で、13世紀頃にラムカムヘン大王によって、中国から陶工を招いて焼き物の生産をはじめました。

産業に成功したサンカローク焼きは、14、15世紀になると中国の商人によって日本に持ち込まれ、これが戦国時代から江戸時代にかけて茶人の間で持て囃されました。

サンカローク焼きの特徴は、青磁、そして素焼きに白系の化粧を施し、その上に絵を描いたものなどです。鉄絵なので茶系絵の具での絵付けですが、藍色の絵付けも見られます。その他素焼きの壺もよく目にします。

描かれた絵は写実的なものでなく、ややデフォルメしたユニークで味わいのあるものが多いところから、茶人に好まれたのではないかと思います。

歴史的に他国から来た陶工によって焼き物が始まるという点では、日本の鍋島藩が朝鮮から陶工の李参平を連れて来て有田焼が起こったのと似ていますね。李参平の場合は、泉山磁石の発見によって日本に初めて白磁の産業を開業するという偉業を果たしました。

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サンカローク焼博物館61番窯

シーサッチャナーライの旧市壁に近いコ・ノーイ村は、陶器の工場跡地であり、その一帯の約1.5平方キロメートルには200以上もの窯跡が発見されています。スコータイの陶器がつくられた地域であることから、タイ国内では最も古い窯跡です。

サワンカローク焼きの窯は、煉瓦を積み上げたもので、巨大な楕円のかたちをしています。トゥリアン窯(Tao Thu Riang)と呼ばれており、窯跡のかたちが果物のドリアンに似ていることからその呼び名がついたのだそうです。コ・ノーイ村にある61番窯は、その巨大な窯跡がそのまま博物館となっており、発掘された陶器の数々も展示されています。

サンカローク焼博物館61番窯へのアクセス

サンカローク焼博物館61番窯は、シーサッチャナーライ歴史公園からヨム川沿いを北に上っていったところにあります。自転車だと一時間近くかかりますが、どこにも曲がらず真っ直ぐ進めばいいので簡単です。

歴史公園を出ると趣のある市壁の跡があります。

道の横に遺跡も見かけます。Wat Kudi Raiという礼拝堂のある寺院跡です。

シーサッチャナーライ歴史公園についての詳しい記事はこちらをご覧ください。

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パ・ヤーン窯跡 Pa Yan Kiln

サンカローク焼博物館61番窯に行く途中、パ・ヤーン窯の窯跡がありますので、是非見ておきたいですね。先程のWat Kudi Raiの近くにあります。

窯跡は小高くなったところに作られていました。

窯は2基あります。きれいな曲線で煉瓦が積まれていますね。

パ・ヤーン窯跡マップ

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更にヨム川沿いを進んで行き、このようなサンカローク焼きの皿のあるモニュメントが見えたらもうすぐです。

到着です。窯をイメージして塀が煉瓦になっています。アクセントの白いサンカローク焼きがかわいいですね。

サンカローク焼博物館61番窯マップ

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サンカローク焼博物館61番窯館内

館内は土足厳禁なので、入り口で靴を脱ぎます。中に入ってすぐの左手に受付がありますので、そこで入場料を支払います。

入場料 100バーツ

Conservation and Study Center 42 and 123を見学する予定の方は、このチケットがあれば追加で入場料を払う必要はありません。

出土品展示室

入ってすぐの正面にサンカローク焼きの窯の大きな立体地図があります。

出土品の展示。このあたりのものは時代が古いのか、須恵器のようにつくりの厚いものが多いです。崩れやすそうなので、それほど高温ではなかったのではないでしょうか。

かたちの良い壺の出土品。

窯の構造についての説明がされています。

これは釉薬についての成分などが解説されています。

こちらのショーケースには当時の窯の様子の模型があります。良く出来ていてわかり易いです。

とても迫力のあるナーガがありました。ナーガは蛇神ですが、この出土品には足がありますね。

ではメインの窯跡の展示室へ行ってみましょう。庭の見える気持ちの良い廊下の向こうにあります。

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窯跡展示室

窯跡の展示室です。窯の全体を上から見ることができます。

確かにドリアンのかたちをしていますね。窯の中には壺などがそのまま残っています。

もう一つの窯跡。埋もれていたせいでしょうか、ややかたちが歪んでいます。

こちらは保存状態が良いですね、煙突部分までしっかり残っています。

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出土品の展示があります。こちらはかなり大きな壺を復元しています。

やや小さめの壺は、口が大きく高台は小さい独特なバランス。

青磁の破片がありました。花などが描かれているようです。タイで青磁といえばセラドン焼が有名ですね。

基本情報

Museum for Kilns No 61

所在地:Nong O, Si Satchanalai District, Sukhothai 64130

電話番号:055 616 228(9)

営業時間:9:00 – 16:00

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博物館前のプラサート古美術店

サンカローク焼博物館61番窯の前にはサンカローク焼きを販売しているお店があります。博物館に来られた際ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょう。

店内には食器類や置物がたくさんあります。

サンカローク焼定番の魚の絵付けがされたコーヒー碗などおみやげにいいですね。

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Conservation and Study Center 42 and 123

古窯郡で最も大規模な窯跡であるサワンカローク焼42番窯、123番窯の窯跡を見ることができます。建物が2棟になっており、61番窯よりも更に大きな窯跡はとても見応えのあるものとなっています。

Conservation and Study Center 42 and 123へのアクセス

Conservation and Study Center 42 and 123は、サンカローク焼博物館61番窯から更に北に真っ直ぐ1kmほど進んだ場所にあります。

行く途中にもいくつか窯跡を見ることができます。

トゥリアン窯のかたちがきれいに残っていした。

到着しました。絵柄の魚のかわいいモニュメントがあります。

マップ

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Conservation and Study Center 42 and 123館内

サンカローク焼博物館61番窯に行った方は、そのチケットを提示すればOKです。ここだけ来た方は入場料100バーツを支払います。

123番窯です。61番窯に比べ規模が大きく、そして複雑な構造です。

いくつかの房にわかれている感じでしょうか。違う温度で焼けるとしたら、種類の違う焼き物を作ることができますね。

こちら窯の模型。構造がわかります。

では、最大級の42番窯に行ってみましょう。

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42番窯です。上から見下ろすと結構な深さがあり、圧倒される大きさです。

123番窯よりもっと複雑な構造になっています。

橋がかかっているのでいろんな角度から見ることができます。

裏に回ってみると崖のようになっており、手前には階段らしきものがあります。

全体の模型です。規模の大きさがわかります。

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研究保存センターの前にも窯跡があります。

無造作に焼き物が埋もれていて、いかにこの辺が産業の盛んな場所であったかが伺えます。

基本情報

Conservation and Study Center 42 and 123

所在地:Nong O, Si Satchanalai District, Sukhothai 64130

電話番号:089 999 4402

営業時間:9:00 – 16:00

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プロの陶芸家にも見てほしい

シーサッチャナーライ歴史公園の遺跡とあわせて行きやすい古窯巡りです。周辺にサンカローク焼きのお店もいくつかありますので、アイテム探しにもいいですね。

特に陶芸家の方には行ってみてほしい場所です。

サンカローク焼きがどのような構造の窯で焼かれていたか、また、当時の技術を知る上でとても興味深いものを見ることができます。ご自身の作品制作にも何か役に立つことがあるのではないでしょうか。

シーサッチャナーライ歴史公園に来たら、ヨム川をゆっくり眺めつつ古窯巡りを是非たのしんでみてください。

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