【タイ】タイの有名な怪談「メー・ナーク・プラカノーン」のお寺ワット・マハーブット

【タイ】タイの有名な怪談「メー・ナーク・プラカノーン」のお寺ワット・マハーブット
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タイの民話に「メー・ナーク・プラカノーン」というタイ人なら誰でも知っている有名なお話があります。このお話の主人公であるメー・ナーク(母ナーク)またはナンナーク(ナーク夫人)は実在の人物であると考えられており、彼女を祀ったワット・マハーブットというお寺がバンコクのプラカノン地区オンヌットにあります。このお寺は宝くじ当選祈願や恋愛成就として有名で、多くの参拝客が連日訪れています。その「メー・ナーク・プラカノーン」のお寺ワット・マハーブットをご案内したいと思います。

メー・ナーク・プラカノーンのあらすじ

時は元王朝のチャクリー王朝初期、村長の娘ナークは、村長の庭師マークと恋仲でした。しかし二人を引き離すため村長は中国人と娘の縁談を進めます。それを知ったナークは家出をしてマークと結婚しました。その後ナークが妊娠した時期にマークは徴兵されてしまい村を出ることになります。マークは親友のトゥイと老夫婦にナークの面倒を見るよう頼み村を出ていきました。

ところが夫が行ってしまった後ナークは難産のためお腹の子共々死んでしまいます。ピー・プラーイ(難産で死亡した女性の霊で悪霊)となることを恐れた老夫婦はナークを手厚く葬りますが、夫への愛情と未練からナークはピー・プラーイとなり、駐屯地で過ごすマークの元へ赤ん坊と一緒に現れます。マークは家を空けたことを叱り、その晩はナークと共に過ごしますが、朝になるとナークと赤ん坊は消えていました。

兵役を終えて村に戻ったマークはトゥイにナークが死んだことを知らされますが、戦場で彼女に会ったと口論になり、2人で家に戻ると、ナークが何事もなかったかのように家事をしていました。あれは幽霊できっと呪い殺されると忠告するトゥイに、マークは耳を貸そうとしません。そしてマークはしばらくナークと一緒に暮らしていましたが、ある日ナークが臼と杵で唐辛子を砕いていると、落ちた杵を拾うため縁側に腰掛けたままおそろしく伸びた手で杵を取ったのを見てマークは驚き、ワット・マハーブットに駆け込みましたが、僧達では歯が立たちません。ついにナークは悪霊となり人々を手当たり次第に呪い殺していきます。その時徳の高いネーン・チウと呼ばれる少年僧が現れ、悪霊ナークを退治します。そしてその骨は骨壺に収められ運河に捨てられました。

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映画化されたメー・ナーク

メー・ナークのお話は1999年タイ映画「ナンナーク」というタイトルで公開されタイ国内でタイタニックを凌ぐ興行成績を収めました。タイ版ゴーストということで日本でも話題になった映画です。

(原題)Nang Nak

監督:Nonzee Nimibutr

キャスト:Intira Jaroenpura、Winai Kraibutr他

また、2013年には「愛しのゴースト」というラブコメディとしても制作され、『アナと雪の女王』『アバター』の興行収入記録を超え、タイ歴代興行収入1位というメガヒットを記録しました。

(原題)PEE MAK

監督:Banjong Pisanthanakun

キャスト:Mario Maurer、Davika Hoorne他

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ワット・マハーブットへのアクセス

ワット・マハーブットはオンヌットソイ7にあります。行き方はスクンビット大通りからスクンビットソイ77を進んで行くと左手にあるオンヌットソイ7が見えますのでそこを曲がって真っ直ぐ進んだ突き当りにあります。BTSオンヌット駅からタクシーでも行けますが、車線が反対であるので、スクンビットソイ77まで歩いてそこからタクシーかモータサイ、または歩いて行くこともできます。徒歩なら15分〜20分というとこでしょうか。

オンヌットソイ7に入るとお参り用のろうそくなどを売るお店があります。

マップ

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境内の様子

お参りする場所がいくつもあり参拝客も多いお寺です。

こちらがメインのお堂のようです。

点在するお堂。

屋内にあるお参り所。様々な仏像やラマ9世の像まであります。

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生まれた曜日の守護神にお参り。

ナーガ(蛇神)を纏う仏像。

池には仏教とヒンドゥー教の混在した像があります。

祈る骸骨のあるお堂。

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メー・ナークの廟

境内から運河の方に進むとメー・ナークを祀った廟があります。

この日は平日であるにもかかわらず多くの人が訪れていました。

メー・ナークの肖像画が飾られています。このように具体的な姿を飾っているのは不思議な感じです。

他のお寺の仏像と同じようにメー・ナークの像に金箔を貼ります。

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こちらが木の表面を撫でると宝くじの当選番号がひらめくという噂の木です。

ちょうど女性が何かを指につけて撫でていたので、なにをつけているか聞くと油なのだそうです。

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タンブン

タンブンとは徳を積むことをいい、タイでは功徳のためにお寺で鳥を逃がしたり魚を放流したりします。

放流する魚などがバケツに入っています。亀までいますね。

値段は魚が10〜30バーツほどで、小さい亀が30バーツ(約100円)、大きい亀で80バーツ(約290円)、そして鳥は100バーツ(約350円)となっていました。それぞれどういったご利益があるのかも書いています。

参拝客が魚を運河へ放流していました。

ここはメー・ナークの骨が捨てられたという運河。なんとなく雰囲気があります。

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ちょっとユニークなメー・ナーク廟周辺

やはりオカルトな要素のあるお寺であることからか、占い師がこのようにあからさまにブースを設けて商っております(笑)手相やらなにやら結構たくさんあります。

この辺はネコも多く、よく人に懐いていましたね。

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悲恋を扱った民話の魅力

メー・ナークはいわゆる悪霊ですが、一途な愛ゆえに幽霊となった彼女への畏敬の念からかワット・マハーブットのメー・ナーク廟には多くの女性が参拝に訪れます。この民話で興味深いのは、日本の昔話などなら動物などの本性を持つ妖怪が女に化へて人間の男と夫婦になる話が多く、最後に男が助かるのは日本の昔話もメー・ナークも同じですが、日本の昔話では女は正体を知られてしまうと去っていったり自ら命を絶つ結末が多いのに対して、メー・ナークは退治されて骨を川に捨てられてしまうというなんとも可愛そうな最後を迎えます。また、日本の狂女物のような情念ではなく、純愛の結果で悪霊となるところがまた悲しいです。いずれにしても日本もタイも男女の恋愛を扱った怪談は切ないものが多いですね。それほどバンコク中心部から離れていませんので、旅行の際は是非行ってみてほしいお寺です。

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