【ベトナム】「南部女性博物館」で貴重なアオザイやベトナム人女性の活動の歴史資料を鑑賞！

ホーチミンの3区に「南部女性博物館」というちょっと変わった博物館があります。南部の女性にスポットをあて、その歴史について様々な資料が集められており、中でも目を引くのが時代ごとに展示された豪華なアオザイコレクションです。

アオザイに関心のある方はもちろん、ベトナムの歴史について興味のある方にとっても、南部の女性について近代の活動を知ることができます。

ホーチミン中心部からアクセスが良く、他の観光地とあわせて楽しむことができる同博物館についてご紹介いたします。

南部女性博物館について

1985年ホーチミン市3区にオープンした南部女性博物館は、女性の愛国心と伝統を現代に伝えるために、前世代の女性の希望と意志に従って建てられました。同館は2020年にホーチミンの新観光名所に認定されています。

館内は各フロアにテーマごとに展示品が設置されており、年代ごとの貴重なアオザイコレクションから工芸品、女性たちの従事した手工芸の製作プロセスを再現したセット、そしてベトナム戦争時代の女性たちの活動について様々な資料が展示されています。

南部女性博物館へのアクセス

南部女性博物館はホーチミンの3区にあります。1区の中心部からタクシーで10分程の場所です。博物館鑑賞後に、博物館の前にあるLe quy don通りを下って行くと、ベトナム戦争証跡博物館や統一会堂などがありますので、あわせて行くのも良いでしょう。

マップ

南部女性博物館の館内へ

正面入り口です。

雰囲気のあるアオザイの女性の絵があります。

こちらが受付。パンフレットが置いていますのでもらって行きましょう。横の階段から2Fへ上がると展示室があります。

アオザイコレクションの展示室

この展示室では各時代の美しいアオザイが多数展示されています。諸外国と交流のあった南部ならではの華やかな衣装やアクセサリー、工芸品を見ることができます。

グエン王朝時代のアオザイ。格式のある文様が施されています。今のアオザイと違って裾が短いですね。

比較的近年の国際会合などアンバサダーなどが着用したアオザイ。そうしたことからシックな色とデザインになっています。

孔雀の柄と長い丈が豪華なアオザイ。そして横のグリーンの衣装は、デザイナーNguyễn Minh Côngによるものです。

フラップドレスと一番右はグエン王朝時代のアオザイ。

19世紀のものになると見慣れたデザインに近いアオザイになりますね。

履物は花の刺繍が施されています。

アオザイとコーディネートでしょうか。きれいな水色のバッグがおしゃれですね。

ネックレスやブレスレット。清楚なベトナム人女性を引き立てるシンプルなものが多い印象です。

セレブ感のあるアンティークな扇子と工芸品。

1940〜1960年代の渋い色のアオザイ。

1960〜1970年代のトラディショナルなウエディングドレス。かなり体の線が出るデザインですね。ピンクのドレスが個性的。

こちらは近代のウエディングドレス。

伝統工芸の展示室

ここでは布や編み物などを中心に、その製作過程や道具を展示しています。

シルクなど染め物の布があります。

樹皮、根、植物の葉から抽出された染料の使用方法はほとんどなくなりましたが、タンチャウでは現在でも維持され、シルク製品、特にMỹ-Aシルク（「ユニークな製品」）の染色に使用されているそうです。 MacNưaというナッツはアンザン省でよく育つ植物の一種とのこと。

糸紡ぎの道具があります。

こちらはゴザの展示。市場での賑わいがよくわかる写真が壁にあります。

い草を紡ぐシーン。

ベトナム南部には多くの民族が共存しており、各民族衣装の色とパターンがあります。生活環境に適したさまざまな色合いは、調和のとれたコントラストを生み出し、衣装の種類ごとに独自の文化的外観のあるベトナムの国民文化の豊かさが感じられます。

家庭内での作業風景。

女性たちの戦いと活躍の歴史に関する展示室

この展示室では過去の戦争時代から近代にかけての女性たちの戦争への関わりや活躍についての記録が展示されています。

組織団体やセレモニーなどの記録写真

1975年の南北統一以降に活躍した女性の写真。スポーツの分野の写真も見られます。

印象的な警備の女性の写真。

戦争の殉教者としての女性たち。

ホーチミンと南部の女性たちに関する展示品。

南ベトナム解放民族戦線に関する資料のある展示室。

意外に多種多様なアオザイ

この博物館の一番の見どころでもあるアオザイコレクション。時代ごとにいろんな種類があり、やはり中国の影響は強いと感じました。

そして、アオザイは一定の決まりごとで作られているわけでもないようで、これもアオザイなのかと驚くデザインのものもありました。現代の定番的なアオザイを感じさせるものは19世紀からのようですが、昔から現在まで多様化したものがつくられていたことがよくわかります。服飾文化、民芸、そして政治や歴史などを女性にスポットをあてたユニークな南部女性博物館、1区からアクセスも良いので一度足を運んでみてはいかがでしょう。

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