
スコータイ県にあり、スコータイ歴史公園とともに世界遺産に登録されているシーサッチャナーライの遺跡。
スコータイに比べ、まだ手つかずの遺跡が残っており、歴史公園の市壁外では森の中に眠るように静かに佇む遺跡を見ることができます。
スコータイ遺跡とあわせて行きたいシーサッチャナーライ歴史公園へのアクセスやまわり方、そしてその魅力について詳しくご紹介いたします。
シーサッチャナーライ歴史公園について

スコータイ県の北部にあるシーサッチャナーライ歴史公園は、スコータイ歴史公園およびカムペーンペット歴史公園とともに「スコータイの歴史上の町と関連の歴史上の町」として1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。
シーサッチャナーライは、スコータイ王朝の第二の都市として栄えた場所で、13世紀から14世紀には副王の居住として建設されたものです。16世紀に入ると、ビルマの侵攻を防ぐための高さ5mもの壁が築かれ、今のその跡を見ることができます。
スコータイの遺跡に比べ、修復作業がおくれていますが、そのことによって自然の中の手つかずの遺跡を見ることができるため、遺跡ファンならずとも遺跡を眺めながらの散策など非常に新鮮な体験ができます。
スコータイ歴史公園の記事はこちらをご覧ください。
シーサッチャナーライ歴史公園へのアクセス

シーサッチャナーライまでは、遺跡巡りの拠点であるスコータイからのアクセスをご紹介いたします。
移動手段はバスが安くておすすめです。スコータイバスターミナルからシーサッチャナーライ方面行きのバスが日に数本出ています。
スコータイからシーサッチャナーライまでの所要時間は1時間少々です。
帰りのバスが早く終わってしまうので、行きは午前中から出かけるようにしましょう。
遺跡は歴史公園、市壁外などを自転車でまわると2時間半ほどかかります。
さらにサンカローク焼きの窯跡や博物館まで見るなら更に2時間はかかるので、時間に余裕を見て計画を立てることをおすすめいたします。
スコータイバスターミナル〜シーサッチャナーライ

スコータイバスターミナルに着いたら「WINTOUR」の窓口に行きましょう。
このバス会社はバンコク行きのバスチケットも販売しています。
2020年11月時点でのシーサッチャナーライ行きは、
6:40
8:15(おすすめ)
9:00
12:30
時刻表は時々変更されるようなので、なるべく早めにターミナルに着いて発車時刻を確認しましょう。
上記のバスの中では、8:15がスコータイ始発なので安心です。遺跡巡りの時間を考えても丁度よい時間ではないでしょうか。12:30は流石におそいかと思います。

チケットを窓口で購入。運賃は49バーツ(約170円)。安いですね。

バスに乗ると乗務員にどこで降りるか聞かれますので、シーサッチャナーライ歴史公園で降りることを伝えます。シーサッチャナーライ歴史公園の写真や、バス停の写真を見せると良いですね。
観光地ですし、乗務員もすぐわかってくれますので、心配はないでしょう。

およそ1時間半近くバスは一本道を北上して行きます。このようなのどかな風景が続きます。

遺跡の入り口のバス停に到着です。下車します。
※シーサッチャナーライからスコータイへの戻りは記事の最後の方に掲載しております。
バス停マップ
レンタサイクルで遺跡巡り

バス停の奥の商店がレンタサイクルをやっています。以前はバス停の横に自転車が並んでいたのですが、コロナの影響か、お店中に自転車をしまっていました。
レンタル料は50バーツ。
そしてパスポートを預けるよう言われます。私はタイの運転免許証を預けました。つまりデポジット代わりに身分証明証が必要です。(以前は必要なかったので、今後また不要になるかもしれません)

自転車をレンタルできたらお店のすぐ横にある遺跡の入り口となる門をくぐって行きます。

少し進むと吊橋が!なんともアドベンチャーな雰囲気です。これだけでも来た甲斐があったなというもの。

ヨム川にかかる吊橋を渡っていきます。途中、バイクなども平気で通っていきますよ。大丈夫なのかなと思いますが、結構しっかりした橋のようですね。
橋を渡ったらいよいよ遺跡巡りのスタートです。
市壁外の遺跡
ワット・プラシーラッタナーマハータート Wat Phra Sri Rattana Mahathat

ワット・プラシーラッタナーマハータートは、スコータイ朝以前、クメール王朝支配下にあった時代の都チャリエンに、大乗仏教寺院として創建されたと考えられており、チャリエンにおける最大規模の、そして歴史的に最も重要な寺院の一つです。

1958年、当時の国王ラマ9世とシリキット女王が同遺跡に訪れた際に、第1級王室寺院に格付けされ、タイ王室によって庇護されています。

中央の礼拝堂は柱に囲まれており、スコータイ仏が座しています。

スコータイ仏の特徴である歩く姿の遊行仏も仏坐像の脇にあります。

後ろのクメール様式の仏塔にあるお堂に上ってみましょう。味わいのある階段をゆっくり踏みしめて行きます。

お堂が見えました。傾斜がきついので上るときは十分気をつけてください。あと、お堂の中には鳩がいて、急に飛び立つので、びっくりしてくれぐれも落ちないように!(これほんとです。結構心臓に悪い^^;)

振り返るとこの景色が目に飛び込んできます。周壁など一帯が見下ろせます。支柱の並んだ感じがとてもきれいです。

礼拝堂の後ろにある仏立像。

さらに進むと2体の仏像がある礼拝堂があります。

スリランカ様式の仏塔があります。様々な様式の遺跡が混在しており、とても見応えがあります。
マップ
ワット・チャオチャン Wat Chao Chan

ワット・チャオチャンはスコータイ朝以前の寺院で、木々に囲まれひっそりと佇んでいます。クメール様式の仏塔と柱だけになった礼拝堂があります。

仏塔の前には崩れた仏像の姿があります。

その横には煉瓦の仏堂と、頭のない仏立像があり、静かにたくさんの時が流れたことが感じられます。
マップ
ワット・チョムチュエン Wat Chom Chuen

ワット・チャオチャンのすぐ近くにあるワット・チョムチュエンは、14世紀くらいに建てられた寺院で、支柱と仏堂の残った周壁に囲まれています。

後ろにある仏塔は、クメール時代の建造物の上に建てられたものであると考えられています。

寺院の横には博物館があり、発掘物などの展示を見ることができますので、余裕があれば見ていくのも良いでしょう。
ワット・コクシンカラーム Wat Khok Singkaram

シーサッチャナーライ歴史公園に行く途中の道路脇に、3つの大きなチェディのあるワット・コクシンカラームがあります。

3つの仏塔のうちの1つが崩れて土台のみになっています。
マップ
シーサッチャナーライ歴史公園
歴史公園入り口

ワット・コクシンカラームから更に西に自転車をこいでいくと、シーサッチャナーライ歴史公園入り口の表示が出ていますので、左折します。

850mほど進むと歴史公園に到着です。

歴史公園入り口横にインフォメーションセンターがあります。
レンタサイクル

駐車場付近にはレンタサイクルがあります。車で来た場合、公園内を歩いてまわるのはたいへんなので、ここで自転車を借りるのが良いでしょう。
レンタル料は30バーツ。二人乗りは60バーツです。
チケットカウンター

チケットカウンターでチケットを購入します。

入場料は100バーツ。自転車持ち込み料が10バーツです。

では歴史公園の遺跡巡りのスタートです。このモニュメントの向こうが市壁内となっています。
マップ
歴史公園 市壁内の遺跡
ワット・ナーンパヤー Wat Nang Phaya

女王の寺院を意味するワット・ナーンパヤーには、中国の皇女パスジャデヴィによって創建されたという伝承があります。
敷地はラテライトの周壁に囲まれ、礼拝堂、仏塔があります。

スコータイおよびラーンナーの典型様式とされる、7つの部屋をもつ礼拝堂の遺構。

中央にはスリランカ様式の仏塔チェディがあります。

階段がついており、上ってみるとこのようなお堂があります。ここも鳩に気を付けて。

階段の上からの眺め。全体がよくわかります。礼拝堂などもある凝ったつくりの寺院ですね。
ワット・チェーディーチェットテーオ Wat Chedi Chet Thaeo

旧市内の中央あたりにある最重要寺院の一つである大規模なこの遺跡群は、王室のためにつくられたものであると、ラマ6世のプラルアン旅行記に書かれています。また地元の伝承では王族の埋葬地であると考えられました。
中央のこの仏塔はスコータイ様式で。蓮の蕾の形を表しています。

この寺院の特徴は異なる様式と大きさの仏塔が32基とたくさんあるところで、他に類を見ないとても珍しいものです。

スリランカ、ラーンナー、バガンの様式の仏塔が点在しています。

仏塔には壁龕があり、そこには仏像が収められています。特に好きなのがこのナーガを背に持つ仏像。とても美しいお顔と佇まいです。

こちらの仏塔には仏立像が安置されています。
ワット・チャーンローム Wat Chang Lom

ラームカムヘーン大王碑文によると、ワット・チャーンロームのある場所で、仏陀の遺骨(仏舎利)が発見され、ラームカムヘーン王によって構築されたとあります。

中央の仏塔はスリランカ様式で、正方形の2層の基壇があります。

ワット・チャーンロームの名前は、「ゾウが囲む寺」という意味で、その通り、39頭のゾウの立像が基壇の周りにあります。顔の部分はほとんど崩れていますが、とても強い印象を与えます。

仏塔の階段を上ると、壁龕があり仏像が安置されています。

ほとんどの仏像の顔はなくなっていますが、この仏像はお顔がはっきりわかり、保存状態が良いですね。

仏塔の上からの眺め。柱だけになっていますが、味わいのある支柱が基壇に並んでいます。
ワット・スアン・ケウ・ウタヤン・ノイ Wat Suan Kaeo Uthayan Noi

木々に囲まれひっそりと残るワット・スアン・ケウ・ウタヤン・ノイは、思わず見過ごしてしまいそうな目立たない寺院ですが、静かな雰囲気で趣があります。

仏像が安置されているお堂と、その後ろにはスコータイ様式の蓮の蕾の仏塔があります。
ワット・カオ・パノム・プルーン Wat Khao Phanom Phloeng

ワット・カオ・パノム・プルーンの意味は「丘の上にたつ寺院」で、その名の通り、この長い階段の上に寺院があります。
結構息が切れる段数なので、頑張って上りましょう。

頂上には微笑みをたたえた坐仏像があります。保存状態が良いですね。

メインの仏塔はスリランカ様式で存在感があります。

その下の広場には森の女神を祀っているサーンチャオ・メー・ラオーンサムリーがあります。
お食事にシーサッチャナーライ ヘリテイジ「ヨム川を眺めながらのランチ」

遺跡巡りの時の食事におすすめなのが、シーサッチャナーライ ヘリテイジにあるレストランです。歴史公園近辺では売店や簡単な食堂は目に付きますが、意外にレストランはありません。でもここならヨム川と眺めながらゆっくり食事できます。

ホテル シーサッチャナーライ ヘリテイジの奥にあります。

川の涼し気な景色を見ながらゆっくりランチなどをとって遺跡巡りの続きに望みたいですね。
マップ
店舗情報
店名:Sisatchanalai Heritage
住所:99 Moo 6, Si Satchanalai, Si Satchanalai, Sukhothai 64130
シーサッチャナーライからスコータイへの戻り

シーサッチャナーライからスコータイへ戻るには、来たときと同じバス停からバスに乗ります。レンタサイクルを返却したときに、お店のご主人がバス停に旗を立ててくれました。
乗客がある時のサインなのだとか(笑)。初めて来たときはこんなことはやってなかったので、いつもこうなのかは不明です。
バスの時間は12時、14時、後は多分16時くらいでしょうか。お店のご主人がおしえてくれます。
途中乗車のバス全般そうですが、時間はきっちりしていません。下手すると1時間近いズレがあります。実際初めて来たときは1時間ほど待ちました。もうバスは来ないかと思ったくらいです。

こちら戻りのバスが来ました。比較的聞いていた時間から少し遅れた程度でした。
このときバスを待っている私に気づかず通り過ぎてしまい、お店のご主人も慌てて「走って走って!」と声を上げました。
追いかけるとなんとか止まってくれましたが、せっかく立ててくれた旗の効力は怪しいものですね(笑)
行きは簡単ですが、戻りのバスは注意が必要です。
チケットはバスに乗ってから買えばOKです。
森に眠る手つかずのシーサッチャナーライの遺跡

シーサッチャナーライはスコータイ歴史公園と比較すると、木々に囲まれた森のような環境に溶け込んだ遺跡が多く、自然の中にある遺跡という感覚が強いと思います。特に市壁外の遺跡はひっそりと佇んでいるのが印象的です。
また、遺跡の修復作業もスコータイ歴史公園より遅れているとのことですが、かえって長い年月の経過がむき出しになっている遺跡は非常に感じ入るものがあります。
スコータイに数日滞在される方は、日帰りで遺跡巡りができますので、是非シーサッチャナーライまで足と伸ばしてみてください!
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基本情報
Si Satchanalai Historical Park
所在地:Si Satchanalai District, Sukhothai 64130
電話: 055 950 714
営業時間:8:00 – 16:30